ドルチェまで

 ドルチェとは、コース料理のデザートのこと。ドルチェまでとは
最後まで楽しみは取っておくの意らしい。


 午後に、伊佐沢の川原さんの工房へ遊びにいった。陶芸家の彼は
最近陶芸教室ができる小さなプレハブを新築したのだ。

 今回は磁器ではなく陶器をとくらせてもらう。川原さんは、
普段さほど饒舌でもないのに、今日はとても口が動いていた。
たまの来訪を喜んでくれたふし。こちらもうれしい。

 私は大雑把な雑器を3点ほど。一緒にいったひとは、丁寧な仕事
で、にんにくに似た(笑)器とカップを2点。

 
 それから、夕方は、チェコに留学していた石栗嬢が一時帰国の
記念にコンサートをするというので、受付の手伝いに。
何か花でも思い、真紅の薔薇を一厘。フランス男性にでもなった
つもりで、会場の画廊レストランへ出向く。


 ドルチェまでとは、最後まで楽しみをとっておくということ。
コンサートの題でもあるこの言葉通り。彼女のピアノは生命力に
あるれて、大地の音色が聞こえるようだった。

 
 終了後、思わぬコース料理をいただく。
ドルチェが2種類。最後のクリームブリュレとチョコレートケーキ。
けれど、私にはやっぱり大福とお茶が似合っているようで、
ドルチェにはすこし、過ぎた時間でした。