夜半過ぎ

 毎日寒い。
寒いのは苦手。できればいずれ沖縄にでも移住したいもので。


 ここ最近、何もかにもを急ぎすぎた感。
走りすぎの後には静かに呼吸を整える時間が必要だ。

 
  『森はひとつの静けさをもつ
  いちどそのしずけさにうたれたものは
  よく森のちかくをさまようている』


 さても、そういえば本を読んでいなかったと思いたち、
八木重吉さんの詩を手に取る。


 私は、八木さんの詩は特別好きだともおもわないし、今まで
大切な指標であったことはない。けれど、折に触れ目に付き、
手にとってしまう。不思議なもので。
 

 『赤い葉が
  しずかな地面におちている
  命は持っていないが
  華やかにちらばっている
  みる人のきもちを清く幼くする』

 『こころよ では いっておいで
  しかし また もどっておいでね』
  やっぱり ここが いいのだに
  こころよ では 行っておいで』


 わたしはわたしの心を上手にあつかえているかしら。
 ゆっくりと、ゆっくりと地球がまわるように。進んでいきましょう。


 音信不通だった友人から手紙が届く。彼女は引越しをしたらしい。
なんだ、手伝いにでもいければよかったな。
 遠い空のした、人のつながりに感謝する夜。